
日本に留学している学生たちは、学校の授業の一環としての看護実習のほか、夏季や冬季、春の長期休暇中には支援病院で研修を受けることになっています。各地の病院で、同じ医療現場で働いている方からいただいた、「ベトナムの学生に会いました!」報告を紹介します。
実習病院のナースから
准看護師として活躍されている「あまの」様から、勤務先の病院で出会ったベトナム人看護学生の様子を知らせてくださいました。
「同僚ナース」から見た、貴重なアドバイスです。
私は彼女たちと同じ看護学生です。私は准看課程ですので、彼女たちの1/3くらいの勉強量ですが、それでも結構たいへんです。まあ、年のせいもあるんですが、何でもとしのせいにする悪い癖がついちゃってます。彼女たちのたいへんさに比べればたいしたことないはずなんですが・・・。彼女たちに今年も刺激してもらいましょう。
病院では、月曜日から金曜日、8時半から17時半まで、フルタイムで彼女たちは働いていました。
去年は、たぶん病院の概要を知る意味からと思いますが、一週間ずついろいろな病棟をまわっていたように記憶しています。それで、私は4日くらい一緒に仕事しただけでしたが・・・ここは広島市でも最大級の総合(私立)病院で、50人規模の病棟が9つあり、たぶん全部は回り切れなかったと思います。
2人一緒にまわっていましたが、さすが!彼女たちはまじめに仕事に取り組んでいました。学校ではまだ患者さんに関係ある実地のことは何も勉強してないらしく、看護助手(免許なしで行える患者さんのお世話や病棟の環境整備をしてます)の仕事が新鮮そうでしたが、かなり体力的にはきつそうでした。
(彼女たちは淡々とやってましたが)でも、きついというのを結構素直に言って、好感もたれていましたよ。
その時、実は他の国の看護婦さんも偶然一緒に研修にいらっしゃってたんですが、ほんとの話、ベトナムの2人はすごく評判よかったんですよ。(他の国の研修生さんと比較され、それが◎にでたのもあり・・・)
仕事もさっと覚えてできるし、てきぱきしてるし、まじめなのが評判でした。特に、彼女たちが日本語で何もかもできるし、若いのに留学して仕事して、偉いね、すごいね、と・・・感心されてました。やはり働くということになりますとチームワークですから、私から見る限り、彼女たちは一年目の研修は十分に目的を果たしたと思います。
彼女たちにしてみれば、仕事を指示されるばかりで、自分でなにかに取り組むということがまだできないですから、疲れもひときわできつかったことでしょう。勤務の病棟が固定されて、患者さんとの付き合いや仕事の見通しや段取りなんかができればずいぶん違ってくると思います。その点、研修中の一ヶ月だけというのは不利ですね。
ハノイでは日本語がメインということですが、彼女たちを見ていると仕事上でも日本語はかなりのウエイトです。それはやはり大切なことのように思います。免許を取った後日本で働くのが条件になってるのでしたらなおさらです。まず患者さんに自分達を受け入れてもらって、しかも信頼してもらわなければなりません。それ以上に、看護婦の同僚に信頼してもらい、信頼し、というのがなければ仕事ができません。同僚は「まじめ」なら何とかなるけど、患者さんはね・・・日本で看護婦として働くということがベトナムに帰ってから看護婦さんを指導していったり看護の仕事を再構築していったりする上で不可欠の経験になっていくでしょう。
とにかく日本語、ですが、それ以前にもっと大切なのは人間性、人が好きですか、と、そこにいきつきます。
きっと、患者さん、特にお年寄り、わけわかんないと思いますが、そこを好きになってもらいたい、まずは人間として患者さんをかけがえのない人として好きになってほしいです。
それがあった上で、それには・・・・・やっぱり日本的なものの考え方をわかってほしいし、やっぱり日本語、日本文化、になっていくと思います。とはいえ、それははっきりいってきびしいですよね。外国人と話したことがないおじいさん、おばあさんとか特に・・・でも、看護上のコミュニケーションは単なる手段ではありません。ほんとうに基本的なものですから、日本語の重要性はいくら強調してもし過ぎということはないです。
でも逆に、彼女たちにしかできないこともあります、日本の常識、日本人の考え方にとらわれたやり方に
新しいものを入れていく力も彼女たちにはあると思います。そこは日本に来ている彼女たちの強みでしょう。ただ、それを実績につなげていく力ということになると、また最初の、どれだけ相互信頼できてるか、そうなれてるか、になると思います。
彼女たちを見てると、母国語で教育を受けるのに限界があるというのはつらいことだなあと思います。
話を聞く限りでは、ベトナムの看護婦さんは地位も待遇も教育程度も低いらしく、看護にはあまり魅力を感じていないようでした。
そこのところ、アメリカの最新の看護なんかを知って、いいイメージや目標を持ってはいってくればずいぶん彼女たちのメリットになるし、計り知れないパワーになるのになあ、と、思ったりもしました。
彼女たちにはすぐにわかる事でもないでしょうけれど、イメージだけでもあるといいなと思うんです。
アメリカのナースはドクターと同じ権限と責任を持って患者さんを看ています。日本とは比較にならないほどすすんでいます。でもそこにかけてきている彼女たちからは並々ならぬ意気込みも伝わってきました。
日本で教育を受けることで、看護の素晴らしさや、医療とは違う可能性を信じて、ベトナムに素敵な病院を、そして、すばらしい看護婦さん達、すばらしい実践を彼女たちが創っていってほしいなあ、と私は思います。
そしてきっと彼女たちはそれをやってくれるんだろうな、と思っています。
去年の感想を書いてみました。
あくまでも、同僚としての感想です。
【これは、2000年に他のメーリングリストで偶然知り合ったあまの様より頂いたものです。ありがとうございました】
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